October 30, 2004
July 14, 2004
Tiffany Style / French Classic
オークションに時おり Gem とか Jewelry という形容が出てくる。
まさか宝石とまで称される自転車部品があるとは、
ふつうはとても理解してもらえないだろう。
しかしこれは決して誇張ではない。
そのジュラルミンやアルミニウムの柔肌は
時おりプラチナのように艶かしく輝いて、
ひっそりと男心を誘惑するのである。
初恋の年頃に一度でもこれにとり憑かれてしまった男にとっては、
まるで恋人が少女の面影のまま目の前に現れたのと同じである。
ええい、もういくらでも払ってやる、と
おっちゃんは我を忘れてしまうのだ。
で、 ・・・また、ずいぶん払ってしまいました。
写真はあまりにも有名なユーレー・ジュビリーとストロングライト93。
フレンチの古典である。
Old school という表現がふさわしい、古きよき時代。
贅沢な素材に手のかかった工作、そして独創的で優れたデザインセンスが
ひとつひとつのちいさな部品に凝縮されている。
かくして宝石を身につけたティファニー・スタイルは、
ついに芳しいフランスの香りを醸し出し始めたのである。
すでにロードレーサーではなく、フレンチ・スポルティーフである。
いやまて、と、きっと反論があるであろう。
ストロングライトやユーレーはまさにフレンチ・スポルティーフの典型であるが、
オルトリーブのサドルバック、ブルックス、そしてブルーメルのフラップ付き
マッドガードは、英国風クラブモデルを連想するスタイルだ。
さらにシュパーブのブレーキレバーや日東パール・ステムは
日本製とはいえ、イタリアン・スタイルを踏襲している。
フレンチ・クラシックとしては支離滅裂なアッセンブリーではないか。
これはスポルティーフかもしれないが、フレンチとは云えない。
しかし、だ。
見よ。思いのほか南フランス風な街角に似合うではないか。
どうだい。
うむうむ、よしよし。
これでティファニー・スタイルは完成としよう。
こんなにエレガントな街乗りバイクはふたつとないぞ。
と、一息ついたが、まだまだ。
魔物との戦いは、さらに次の章があったのでありました。
July 08, 2004
Tiffany Style / Road runner
ネット・オークションなるものに出会ってしまった。
ヴィンテージとしか言いようのないパーツが売られているではないか。
もともとビョーキが再発しているところに、オイシイものがごろごろ並んでいる。
喰わないわけがない。
まずブルーメル・クラブ・スペシャル。
なんとティファニー・ブルーのマッドガードだ。
こんな色のブルーメルは見たことがない。これを逃したら二度と出会えないっ。
落札して、ふと気付いてみたら、とても泥除けとは思えない高値。
健常者からみれば、ただのぺらぺらのプラスチックにしかみえない。
・・・とてもカミさんには云えないな。
マファック・レーサーは流通が比較的多くて、オークション相場が出来ている。
ブレーキがセンタープルになると、俄然クラシック・ロードらしい雰囲気が高まる。
しかし使ってみるとマファックのパッドは効きがスポンジーで鳴きもひどい。
昔のプロレーサーは、これで本当にアルプスを下っていたのだろうか。
信じられない。 命懸けだ。
KOOLSTOP のパッドを20ドルも送料を払って取り寄せたが、これが正解。
急制動でたわむマファック・レーサーでも、ちゃんとクイックに効くのである。
ブレーキの性能はパッドにあり。 マチガイ無い。
ブルックス・スウィフトは新品をブレークインして
200kmも走らないうちにしっとりとオシリになじんだ。
これはいいサドルである。 もう手放せない。
これに乗ればレーサーパンツのパッドなど無用。
ユニクロあたりのチノパンツで一日走っても快適。
サドルは革に限る。 これもマチガイ無い。
そしてさらにハンドル周りをいじり始めた。
構成は変えていないが、いかにもクラシックなスパイスをちょいと効かせる。
「バフ仕上げ」と「シェラック仕上げ」である。
シャンゼリゼあたりのアトリエに注文しないと手に入らない仕上げかと思っていたが、
やってみれば自分で簡単にできるもんである。
このヒミツの魔術については、またの機会に。
というわけで、
はまったと思ったらあっというまに
ちょっとキュートなティファニー・スタイルのロード・ランナーになった。
しかしまだまだ序の口。
「魔物」との戦いは、さらに続くのであった。
June 27, 2004
Zebra Style
古いロードである。
「ロードレーサーにプラスチックの泥除けを付けたのが欲しいんです」と、
1985年ごろに上野の横尾双輪館でこしらえてもらったものだ。
とにかくチューブラーの乗り味を試したかったのだ。
べつだんレース志向はなかったし、クラブモデルのようなスタイルならチューブラーでお散歩しててもよかろうと。
そんならなにも横尾さんとこでなくてもよさそうなものだが、
広告写真のレーサーのまとまりのよさは横尾さんのホルクスが一番だった。
ツーリングモデルのように見えるが、じつは本気のレーサーなのよ、ってぇのが欲しかったのだった。
これを手に入れて、650Bランドナーはバラしてしまった。
舗装路でぶんぶんと音がするようなぶっといタイヤはもう要らなかった。
さて月日は流れて、ホコリまみれになったホルクス・レーサー。
さあ、かつて慣れ親しんだ「さいくりんぐ」をば、今またふただびやってやっかな。
というのが、2003年秋ごろのこと。
ぼろぼろのサドルとバーテープを取り替えて、タイヤを新調したところがこの写真である。
駆動系、ハブ、ピラーは初代デュラエース。リムはスーパーチャンピオンのルート。
ハンドルとステムが日東、
ブレーキはレバーがシュパーブ、アーチがグランコンペ。
ちょっとぼろの目立つブルーメルのマッドガード。その名をクラブ・スペシャル。
それに新しく買い込んだサンマルコ・リーガル。
ビットリアのチューブラーが、これが21世紀の写真だという唯一の証拠だ。
さぁ、ここから目まぐるしいパーツ変更のあり地獄が始まるのである。
カスタム・メイドの自転車をよく「魔物」というが、まさにそれ。
またもや取り憑かれてしまった。
というわけで、
白黒のコントラストがいやに目立つ、この頃のスタイルをとりあえず Zebra style と呼ぶことにしましたとさ。
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