ボルドーからの便り - Rene Herse を鑑賞する
先日フランスはボルドーに住むアレキサンダーさんからDMがきました。 ウチのフィリップ・ステムの仕入れ元です。 ルネ・エルスの出物があるので、おひとついかがですか、とメールくださったわけです。
ルネ・エルスって、ご存知でしょうか。 いまの60代から40代までのニッポンのサイクリストは、だれでもこのひとの作った自転車を心から崇拝しているんですよ。
Rene Herse は、リエゾンしてルネルスって発音するのが正しいのかな。 名前は聞いた事はあるけど、どんな自転車か知らない、なんて若い方も多いだろうとおもうので、ご紹介しますね。 どうやら広く宣伝したいみたいだし、無断転載してもいいでしょう。
まずは、いかにもルネルスらしい典型的なランドナーです。
独特なデザインのアルミ・ステム、カンティ・ブレーキ、ロッド式のフロント・ディレイラー、そしてクランクセット、すべてルネルスのカスタムメイドです。 このクローバーのようなチェンリングが、それこそチョー有名なんです。 どこをとっても合理的な考え抜かれたデザインで、しかも芸術的に美しく作りこまれているんですね。
1950年代から1960年にかけて、ニッポンのカスタム・ビルダーは、このランドナーをコピーしつくすことからすべてを始めたんです。 いわば教科書のようなものですね。 いや、今となっては聖書のようなものかもしれません。
そして、もうひとつは、なんとも美しいタンデムのツーリストです。
アレックスさんの説明を引用しましょう。
RH tandem in incredible condition, this is original and not restored! Chanteloup model, Mafac Tiger brakes with Rh rollers, RH stems, Philippe professional handlebars, Weinmann levers, RH attachment for bag, detachable, RH stem, Sonnett, Maxicar hubs, Bell wing nuts, Huret derailleurs, Soubitez dynamo, RH mudguards
すこし時代を下った 1960年代くらいのもののように見えます。 二人乗りですから、ブレーキの効きを倍増するような仕掛けが考えられているんですね。 チェーンの駆動のしかたも特徴的です。 ふつうはうしろに大きなチェンリングを配して、チェーンの長さが通常と同じになるように設計するのが無難だとおもいますが、ルネルスは前から後輪まで長くチェーンをひっぱる設計です。
たぶん、このタンデムの元オーナーは、田舎道をふたりで旅しようぜ、って女房を口説いたんでしょう。 こんなにきれいな自転車がガレージから出てきたら、もお、しょーがないわねえ、ってことになりますよね。 日本で同じことやっても、なによ、まだ心中したくないわよ、って言われそうです (^^;)
ディテールのクローズアップがリンク先のフォトアルバムにありますので、ゆっくりご鑑賞ください。
http://uk.pg.photos.yahoo.com/ph/pianosromantiques/my_photos
また、ルネルスについてちゃんと詳しく知りたい方のために、アイズ・バイシクルをオススメしておきます。
まあともかく、いまでもその気になればルネルスも入手可能なんですね。 とてもじゃないが、私には、お値段を訊く勇気はありませんけど。 もお、はやく博物館にいれてしっかり保存しておけよ、ってハラハラしちまいます、ホント!
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Comments
ルネルスもサンジェも、一台づつ欲しいもんですなあ。でも、レアパーツの塊りだから、事故とか怖いじゃないですか。そんなこと気にして乗ってやれなくなったら可哀想ですものね、うんうん(笑)。(すっぱい葡萄モード)
Posted by: Fallout | November 16, 2004 03:57 PM
ルネルスは、もう新車を買うことはできませんが、サンジェならまだ大丈夫。ヒャクマンも出せば、いくらかお釣がもらえちゃうみたいですよ。 それで博物館モノの最高級品が買えちゃうんですよお。 他の趣味に比べれば、自転車ってなんてリーズナブルな道楽なんでしょ。 これがクルマだったらどうする? って、ときどきカミサンには言うんですけどね (^^;)
Posted by: Yow | November 17, 2004 01:54 AM
ほほほ。カミサン対策は、同じですね。「オレの趣味が車(特にクラシック・カー)じゃなくてホント良かったなあ」(笑)。
Posted by: Fallout | November 17, 2004 12:18 PM
おなじですねえ(^^)
タンデムに乗れる住環境と道路環境があったら、ニッポンのオカミサンたちも騙されて、もとい、喜んでサイクリストになってくれそうな気がするんですけどねぇ。
あ、甘いか。
「そんなものよりフェラーリに乗せてちょーだい」 ・・だな (-_-;)
Posted by: Yow | November 17, 2004 11:29 PM
Natalie FTW!?!
Posted by: haversine insurance company | November 27, 2010 10:34 AM