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October 08, 2004

50年の時を越えて - フィリップのランドナー・バーを組み上げる

自転車に乗るより磨いてろ、といわんばかりのお天気が続きます。 やっと材料も揃ったことだし、ハンドルを組み上げてしまうことにしました。

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かねてから磨きこんであったフィリップ製のステムですが、これに寸法があうのはクランプ径25.0mmのフレンチ・サイズのハンドルバーだけ。 オークションにはなかなか出てきませんが、運良くイトーサイクルで同じフィリップ製のランドナー・バーを調達できました。

ランドナー・バーというのは、文字どおりランドナー(伝統的な小旅行自転車のことです)用のハンドルのことですが、 ハンドル上部がすこし上にカーブするように曲げてあって、この曲がりが手の平にフィットして具合がよろしい、と言われています。 このフィット感を生かして、そのまブレーキの握りのところまでなだらかなカーブを作れば、快適に握れる範囲を広くとれるのではないか、というのが今回のプランです。

ほんとうはカンパニョーロ・エルゴパワーのブレーキレバーのように、フードの形がハンドルバーから直線的につながるのが良さそうな気がするのですが、残念ながらインデックス方式の変速に替えるには、フレームの寸法が古すぎてだめです。 そもそも高くつきすぎて、お財布的にもまったくだめです(^^;)  でも、ひとつ古い時代のカンパのエアロ・スタイルのブレーキバーならうまくいきそうだということがわかりました。

80年代カンパニョーロのエアロ・レバーには、クイック・レリーズ・ボタンのついたCレコード用のものとと、シンプルなコバルト用のものがあります。 コバルト用のレバーは、最も美しいブレーキレバーといわれるレコードの面影を残した、なかなかスマートなレバーです。 これの中古品が手に入りました。 思いついてから手に入れるまで、たっぷりひと月かかりました。 ゆっくり気長にいくしかないですね。 でもこれで、ようやく主役たちが揃いました。

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お次はコルクの栓。 バー・エンドとして使います。 いざ探そうとするとなかなか見つからない代物ですが、吉祥寺ユザワヤの実験器具コーナーで見つけました。 ワインを2本飲むよりは安くあがりましたよ。 あとは手元にあったブレーキケーブルとコットンのバー・テープを出してきて、脇役も揃いました。

さて、では組み上げましょう。 コットンのバーテープを巻き、ヘンプを巻いて、コルクの栓をバーエンドに押し込んで、シェラックで仕上げればできあがり。 ブレーキ・ケーブル用の凹みがないクラシックなハンドルバーに、うまくケーブルを添わせるのに苦心しましたが、出来上がってみるとブレーキ・ケーブルが隠れて、ステムの周りが随分すっきりした印象になります。 ちょっとした彫刻のようなデザインのフィリップ・ステムがよく目立ちます。

いかがでしょうか。 60年代のラグ付きデザインのステムにランドナー・バー、80年代のエアロ・レバー、しかもクラシックなシェラック仕上げ。 時代考証を重視するベテランのマニアからすれば噴飯ものですね。 でも、ちょっと固定観念をはずしてみれば、なかなかシックでモダンなデザインに見えませんか。  逆に、パーツに関心の無い方には、いったいどういう印象に映るでしょうか。  ちょっと訊いてみたい気がします。

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今インターネットの中に山のようにころがっているパーツ・ストックから自由にセレクトすると、たとえばこういうものが出来上がるわけです。 インターネットのお陰で、自転車屋さんの古いストックを探し回る苦労は過去のものになりました。 インターネットの中に自転車屋さんの巨大な倉庫があるようなものです。 そこには過去50年にも渡って開発されてきたたくさんのパーツが眠っています。 

最近のパーツはつまらない、と嘆く必要はありません。 昔のパーツを掘り出して使ってやりましょう。 好きなものをセレクトして、ちょっと磨いてやりさえすれば、ユニークで美しい自転車が組み上げられるわけです。 時代を揃えて組み合わせるのも自由なら、時代を越えて好きなものを組み合わせるのも自由。 ビンテージ・パーツのことを知れば知るほど、アイディアは広がります。 いい時代になりましたね。

さて、できあがったハンドルの握りごこちはというと、まずまず狙いどおり。 手のポジションをどこに替えても違和感がなく、なかなか快適です。 すこし遠すぎたハンドルとサドルの距離も約1cm近づけられたし、上体が楽になった気がします。 これで少しは平均速度が上がるでしょう。  さあ、どこに出かけようかな。

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Comments

うーむ、きれいですねえ。磨き派系の面目躍如ですね。アヘッドが便利なのは分かりますが、やはりステムは水平に凛と伸びていて欲しいものです。そういえばラグ付きのクロモリ・ステムが復刻してますね。Rivendellの要請でNITTOが作ってます。あとは工房系を探せば作ってくれることもあるかも、という状態。どちらにしても一般には出回らないですね。

Posted by: Fallout | October 11, 2004 at 01:55 PM

アヘッドのステムは私もいまいち、です。 あの無骨なスタイルもさすがに見慣れましたけど、どうしても工事現場の足場パイプを連想してしまうんですよね (^^;) 流れるようなラインのかっこいいレーサーも、ステムだけが取ってつけたように見えてしまうんです。 ちょっとボルト位置を工夫すれば、もっといいデザインができると思うんですけどねえ。

クロモリ・ステムもいいですね! CT'S さんでライジンワークス製のものがリストされてますね。サイズと角度をオーダーできるそうです。 ということはかなり高いってことですが、クロームが綺麗なんで誘惑されそうです。 こまかくオーダーすれば、なんちゃってアレックス・サンジェもできるかもしれませんね。

なあんて考えていくと、やっぱりボロを拾ってきて磨くのも、なかなかリーズナブルなんですよね。 ラグ付きデザインなら Philippe, AVA, Raynolds あたりが時々見つかります。 いくら高くても100ドル以下でしょう。
なんなら磨く作業を請け負いましょうか。 納期不定、品質保証無し、ですが (^^)/


Posted by: Yow | October 12, 2004 at 01:28 PM

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