京都の夏は祇園祭で始まる。
その前夜祭を宵山、その前を宵々山、宵々々山と呼ぶそうだ。
夜は宵山の賑わいのなかをビール片手にそぞろ歩き、
昼は自転車でぶらぶらと名所めぐり、という寸法。
京都駅前のKCTPで7速のシティバイクを借りた。
乗り捨てもOKでいろいろな車種が選べるKCTPはお勧めである。
社長さんの著作「京都自転車散歩 ISBN4-635-24203-X」もお勧めしたい。
これさえあればツボをはずさず、道に迷わず、散歩が楽しめる。
京都には自転車のフットワークがちょうどよい。
ゆっくりと流しているうちにとなりの観光エリアに着いてしまう。
歩くよりもずっとたくさん寄り道ができるのも良い。
一方通行が多く、お祭りの交通規制で渋滞する中心部も、自転車は関係ない。
快適である。
京都の町が北から南に下っていることも、
自転車に乗るとじつに良く分かる。
京都では住所の書き方になんとか通り下ル、というのがあるが、
ふたつの通りの交差点を探して、下ルならちょいと南にいったところ、
と読めば行き着ける仕掛け。
じっさい南下するときには足を使わないで済む。なるほど、下ルである。
しかししかし、京都の夏を甘く見てはいけない。
連日35度の酷暑だ。
どろどろに溶けそうになりながら清水坂を登ったら、もうオシマイ。
濡らしたタオルを首筋に巻いて、熱中症の応急処置。
小一時間は死んでいた。
さらに丸山公園で坂本龍馬の銅像を見ながら涼んでいたら
とけた頭に龍馬先生の声が聞こえてきた。
「空を見いや。空の上の雲の上から見た気分はどうや。
そいつをいつも思い出したらええ。
「こんまいことを気にするな。
おまんには、でっかい仕事がまっちょるぜよ。
お言葉はありがたいが、アブナイ、アブナイ。
あっち側のひとになってしまいそう。
やっぱり京都は秋である。
うっかり夏に行ってはイケナイ。
出直してまいります。
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